2ヵ月だけの恋

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ヨウはアラフォー男、陽子はアラサー女。おとな同士の二人が、とある名画座で出会いました。

ふたりとも、その名画座には初めての来館。勝手が分からず戸惑う二人は、お互いを意識することもなく、ふたつの空席を挟んで偶然座りました。

観た映画はフランス映画の名作「シェルブールの雨傘」。
主演は、名女優のカトリーヌ・ドヌーブ。それはそれは美しい女性でした。

ロマンチックな旋律のメロディが流れるなか、恋人同士だった男女の別れを描いた映画に、それぞれの過去から魅入られたヨウと陽子。

銀幕が降り、席を立った陽子を見て、ヨウは「あっ、あのう。もし時間があればお茶でも…」と思わず声をかけました。
驚きながらも、小さくうなずいた陽子。これがふたりの始まりでした。

とは言っても、恋愛に不慣れだったふたりには友だち以上、恋人未満で付き合うのが精一杯。
少し足の悪かった陽子をかばい、ためらいながら手を差し伸べたヨウの手を握り返すだけで、赤面したふたりでした。

それからはメール交換を中心に、ふたりの会話は重なって行きました。このまま、お互いを大切にしたい…。そんなふたりの想いを打ち砕いたのは、陽子の病でした。原因不明で骨が少しずつ壊死する難病。

なんとか、陽子を元気付けようとしたヨウでしたが、陽子はヨウではなく家族を選びました。

「ごめんなさい!私は、父母と兄の家族に守られながら生きて行くことを決めました。あなたには、ありがとうございました。としか言えません」。そんなメールがヨウに届きました。

この先、ふたりがどうなるのかはまだ分かりませんが、わずか2ヵ月ほどで終わりを告げたヨウと陽子の交遊録の第一章。果たして、第二章の幕は開くのでしょうか。

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